ゆえの日常生活と創作小話。
夏企画『狼親子物語(BLEACH)』更新!
2007年07月30日 (月) | 編集 |
夏企画『狼親子物語(BLEACH)』更新です!

修矢君、落ち込みモード・・・。

だけど、見えない暗闇の先には、きっと・・・

光が見える筈だから・・・・

今回は、修矢君の悩みが出てきます。


【狼親子物語/僕らの不思議な時間旅行・1】



子供の頃に云われた、言葉は


幼い心を鋭く抉る・・・。


『修矢君の声・・・女の子みたい!』


『男の子なのに、歌う声が、変!!』


保育園に通っていた時、大好きな女の子に


唐突に云われた・・・。


その言葉が、切っ掛けで


歌う事が、嫌になった・・・。


大嫌いになった・・・!


だから、それ以来・・・歌を歌っていない・・・。


歌なんて・・・大っ嫌いだ!!





朽木家の別荘に来てから・・・此処、二、三日・・・

ずっと雨で、子供達は、家の中で過ごしていました。

学校から出されていた、課題に

最初こそは、大人しく、手を付けていたけれど

其れも、直ぐに飽きてしまい・・・

修矢君は、窓を打ちつけている、雨を

ずっと一人、ぼんやりと、眺めていました・・・。

部屋の中は、ほんの少しだけ、静かだけれど

でも、音が無いと云う訳でも在りません・・・。

微かに、ピアノの音が響いている為、其の音が

修矢君の耳にも、届いていました。

弾いているのは、ウルキオラで・・・

ピアノを教えているのは、きっと

自分の父親・・・。

昔、父親達が、音楽活動をしていた事を切っ掛けに

ウルキオラは、聖歌隊の子供達に、歌を教えている為

弾いた事の無い、楽曲などを、演奏する場合

修父に相談しては、ピアノの指導を受けていました。

其の音に混じるように、たどたどしい歌声が聞こえて来ます。

其れは、きっと・・・弟の、薫君の声・・・。

其れに・・・時折、薫君の嬉しそうな声が聞こえて来ます。

大好きな修父に褒められて、嬉しいせいなのでしょう・・・。

はあ・・・溜息を付いて

修矢君は、窓の外を、ぼーっと見ます。

ほんの少し前、ウルキオラと一緒に、修父の元に訪れた時

自分も一緒にと、誘われたけれど

「やだ・・・俺が苦手なの、知ってるだろ!!」

即答で、返事を返してしまいました。

修父は、複雑そうな瞳の色を、浮かべていましたが

ウルキオラと薫君を連れて

ピアノの置いてある部屋へと、向かったのでした・・・。

その後残された、修矢君とグリムジョーは、恋次の所に行き

彼から、ギターを教わっていたのでした。

修矢君が、恋次から指導を受け、弾いているのを見て

グリムジョーも、興味が湧いたのです・・・。

最初こそは、一緒に楽しく、恋次から教わっていたけれど

元々、音楽に慣れ親しんでいるせいなのか

修矢君に比べて、グリムジョーの方が

幾分か、飲み込みが早く

恋次からも、筋が良いと、褒められていました。

修矢君も一生懸命、頑張っていたけれど・・・

其れでも、何となく・・・面白くなくて

途中で切り上げて、自分の部屋に戻って来ていました。





子供の時、何度も・・・修父は

『修矢君の声は、可笑しくないよ・・・。』

ただ・・・普通より、少しだけ

高い音を出せる、声を持っているのだと

教えてくれましたが、当時の修矢君は

大好きな子に云われた事が、ショックで

「こんな声なんか嫌い!!お歌なんか、もう歌わない!!」

と、散々駄々を捏ねて、修父を困らせていました。

学校に上がってからも、音楽の時間をサボっていた為

学校側から何度も、修父は、呼び出しを受けては

頭を下げていました・・・。

何時の頃からだったか、修父は、修矢君に

『歌が嫌いなら・・・無理に、歌う事も無いだろう・・・。』


授業には出ろよ・・・。


そう云って・・・其れからは、何も云わなくなって

修矢君は、ホッとした反面

何だか、修父に申し訳ないと、思ったのでした・・・。

けれど・・・薫君が、弟が生まれて

弟の薫君は、自然と当たり前のように

修父に、歌を教えてくれるよう、強請ったり

歌を歌って欲しいなどと、お願いして

修父に、歌を歌って貰っている所を、見た時には

羨ましくも、在りました・・・。

如何して・・・あの時、素直に

父親の言葉に

耳を傾け無かったのだろう・・・。

もし・・・傾けていたら・・・

何かが、変わったのだろうか・・・?

もう少し、素直に・・・

父親と話す事が、出来たのだろうか?

歌が嫌いになる前は、修父から、歌を教えて貰って

自分が歌えば、嬉しそうに笑っていた

修父でしたが

今は、其の笑顔が向けられているのは

弟の薫君だけです・・・。

あの時の笑顔は、もう自分には・・・

向けられていません。


「・・・雨の日なんて・・・嫌いだ。」


思い出したくないものを


何時も、思い出させてくれるから・・・


修矢君は、早く上がれとばかりに、机の上に置いてある

紙を、おもむろに丸めて

照る照る坊主を大量に、作って行くのでした・・・。




もし、時間が・・・戻れるなら・・・


もっと、素直になれるのかな?




雨上がりの、真夜中


別荘の近くに在る湖


『虹霞』が


不思議な光を放っていた事に


誰も気付く事など、在りませんでした・・・。


其れが、不思議な冒険の始まる


前兆など、知る由も在りませんでした・・・。
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