ゆえの日常生活と創作小話。
『雨の散歩と子猫(BLEACH)』13更新!
2007年04月28日 (土) | 編集 |
『雨の散歩と子猫(BLEACH)』更新です!

甘いです・・・お付き合い頂ける方だけ、お願いします。

恋心シリーズは、兎に角・・・『甘い』が基本です!



【雨の散歩と子猫/13】



怒られると思っていたのに、怒られる代わりに

やちるは、彼の腕の中に納まっていて

抱きしめられていた・・・。

其れから、彼は・・・

「ごめん・・・俺のせいだよな・・・。」

其の言葉に、俯いていた顔を上げ、檜佐木を見る。

「・・・やちる、遠慮しなくて良いからさ、もう少し
 甘えて良いよ?・・・我が侭も、云って欲しい・・・。」


我慢ばかりしなくて良いよ


俺のせいで、やちるに、辛そうな顔させてる・・・。


そう云う・・・顔が見たい訳じゃない・・・


・・・やちるには、笑っていて欲しいのに・・・


「やちるには、笑っていて欲しい・・・。
 泣きそうな顔ばかり・・・見ていると、少し辛いな・・・。」

困ったような笑みを、彼女に見せれば

やちるの瞳から、透明な雫が、溢れ始めていて

彼は、その零れている、涙を拭ってやる。

「ご・め・・ん・なさ・・・い・・・。」

「謝らなくて良い・・・。
 寂しい思いばっかりさせて・・・ごめんな・・・?」

檜佐木の言葉に、泣きながら頸を振り

やちるは俯き、彼の肩に凭れ掛かる。

抱きしめて、彼女を安心させるように

檜佐木は、頭を撫でてやる・・・。

やちるは、檜佐木の温もりを感じながら


ほんとはね、一杯、我が侭云いたかったよ?


凄く、淋しかったよ・・・?


修ちゃん、お仕事ばかりで


あたしの事・・・如何、想っているのかな?・・・なんて


考えた事も在ったよ?


其れでもね、修ちゃんが、傍にいてくれるだけで、良いんだって


そう、想っていたんだよ?


だって、どんなに忙しくても、時間の許す限り


ずっと、傍にいてくれたから・・・


あたしの傍に、いてくれたから


其れで、良いんだって、思っていたんだよ?


でもね・・・此れからは・・・


「修ちゃん、あたし・・・一杯、我が侭言っちゃうよ?」

其れでも良い・・・?

「うん・・・。」

「一杯、甘えちゃうよ?」

「良いよ・・・。」

「・・・修ちゃん、大好き・・・」

「俺も、やちるが好きだよ?」

そう告げられて、やちるが顔を上げ、檜佐木を見れば

彼は、フワリと笑い、彼女を見る・・・。

其の表情を崩したくて

やちるは、むうっと、頬を膨らませて

彼の表情が『?』と、浮かべている間に

彼女は、次の行動へと移る・・・。

其れは・・・『やちる』からの『キス』・・・。

檜佐木の頬に、軽く、キスをして

彼を見れば、ほんの少し

何が起こったのか、判らない顔をしていて

やちるは、クスクスと、笑ってしまう。

檜佐木は、其処で、漸く

彼女が、己に何をしたのか、理解をする・・・。

頭を抱えつつも、笑みが零れる。

二人は無事、仲直りが出来たようだ・・・。


空から降っていた、雨も・・・漸く、止んだ・・・。


天空には、鮮やかな虹が掛かっていた・・・。








(おまけ・・・)

二人の様子が気になった、咲哉が、厨房から出て来て

店内にいる、二人の様子に、安心したのか

買出しに行っている間、お店の留守番を頼み

二人は、咲哉が、戻って来るまでの間

この場所に、留まっていた・・・。

勿論、咲哉が、二人の為に淹れてくれた

紅茶が用意して在るけれど・・・。

「処でさ、やちる・・・其れ、何?」

彼女が先程、持って来た、トレイの中には

パッと見、甘そうに見える、ケーキが用意されている。

彼女は、トレイの中に在った、ケーキプレートを

自分と、彼のテーブルの真ん中に置くと

「此れ、咲哉さんから教えて貰った、黄粉を使ったケーキなんだよ?
 作ったのは、あたしだけど、盛り付けてくれたのは
 咲哉さん・・・。」

嬉しそうに語る、彼女の傍らで、短く

「へえ~・・・。」

と、答えるのだが、彼女は

檜佐木の、目の前に、其れを差し出して

ニッコリと、微笑むと・・・

「勿論、修ちゃん、食べてくれるよね?」

「・・・そう来たか。」

檜佐木が、顔を引き攣らせながら、答えれば

やちるは、悪戯っ子のような笑みで、彼に聞き返す。

「何か言った?」

彼女に、逆らえる筈もなく、檜佐木は、微苦笑を浮かべながら

「いいや・・・じゃあ、頂きます・・・。」

「修ちゃん、唯、食べるだけじゃ駄目だよ?」

彼女の言葉の意味が、判らなくて・・・

「・・・?」

疑問符を浮かべ、彼女を見れば、嬉しそうに

「はい、あーんして?」

「え~・・・やちるサン?」

彼は、困惑した顔をしながら

其れは、一体・・・何の真似でしょうか?

いや、其の前に、一人で食べれますが・・・?!

等と、彼是、考えていれば・・・

彼女は、笑みを浮かべたまま

「修ちゃん、あたしの我が侭、聞いてくれるんでしょ?」

あたしが子供の頃、良く、修ちゃん・・・こうしてくれたよね?

だから、今度は、あたしがするの・・・。

ああ、確かに・・・彼女が、未だ、幼かった頃

食べやすいように、切り分けていたな。

其の事を思い出すけれど、でも、其れは

彼女が、子供の時で在って・・・

彼女を見れば、ニコニコと、此方を見ている。

其の笑みを見てしまえば、嫌だと言う事も言えなくて

断る事も出来なくて・・・。

半ば、諦めたように、彼女の言葉を肯定してやる。

「そうでした・・・。」

「えへ・・・じゃあ、はい。あーん!」

一口分に切ったケーキを、彼に差し出して

差し出されたケーキを、檜佐木は、口にして

「・・・。」

「美味しい?」

「・・・いける。」

「良かった・・・!!」

じゃあ、あたしも・・・と、云って

食べ始めた、彼女を見ていたのだが

檜佐木は、悪戯を思い付いた様な顔をし

彼女の名を呼べば、彼女は『何?』と、呟いて、此方を見上げるから

此方を見上げた、彼女の唇に、軽く触れると

「ごちそうさま・・・。」

「・・・・・・?!」

彼女は、真っ赤になりながら

檜佐木を睨みつけるが、檜佐木は、クスリと笑って

「さっきの、お返しな・・・?」

悪びれる事もなく、彼女に告げるのだった・・・。
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