ゆえの日常生活と創作小話。
『恋心・・・番外編/6、紅犬の野望と桜の巻』更新!
2007年03月28日 (水) | 編集 |
『恋心・・・番外編/6、紅犬の野望と桜の巻』更新です!

一護の性格が、可笑しいです・・・。

イメージ崩れる方は、お逃げ下さい。

【恋心・・・番外編/6、紅犬の野望と桜の巻】



「ぷるる~ん!!」

「・・・やちるちゃん?!」

聞き慣れた、声で呼ばれて、振り返れば・・・

己達に、愉快な仇名を付けて喜んでいた

やちるが、其処にいて


久々に逢う、彼女は・・・


幼い子供から、少女へと、成長していた。


変わったのは、外見


変わっていないのは、少女が見せる


向日葵のような、其の笑顔


無邪気な笑顔で、井上織姫に飛び付き

再会した事を、喜んでいる様子を見守っていると

どうも、隣の死神代行の少年・・・黒崎一護の様子が可笑しい。

何だか、落ち着きが無くて

辺りを、ずっと、キョロキョロしている・・・。

「如何した一護?
 ・・・さっきから、落ち着かないな?」

一護の顔を覗き込み、問い掛ければ

一護は、急に、目の前に現れた、顔に吃驚しながらも

「いや・・・檜佐木さんが、やちるを連れて来てるから
 若しかして・・・其の、後一行様なんかいたりして?」

何となく、彼の云いたい事が判って・・・

檜佐木は、苦笑を浮かべながら

「・・・いる訳無いだろう?更木隊長は、尸魂界にいる。
 他の奴らとて、早々に現世に降りられる訳じゃない・・・。」


隊長格自体、簡単に出られる訳でもないからな・・・。


檜佐木の告げた言葉に、あからさまに

一護が、ホッと、したような表情を見せ

「そうなんだ・・・なんか、ホッとしたって云うか・・・。
 ってか、じゃあ何で、檜佐木さんは、此処に来てる訳?」

「・・・桜見に来たに、決まっているだろうが。」

彼の質問に、あっさりと答えてやれば

「じゃ無くて・・・そう簡単に、降りられる訳じゃないのに
 何で、檜佐木さんは、こっちに来る事が出来てる訳?
 おまけに、やちるや、ルキア迄、一緒に連れて来てる訳は?!」

一気に、捲くし立てた彼は、肩で息を切らせながら

此方を見ている。

其の疑問に、檜佐木は答えてやる。

「ルキア嬢は、朽木隊長に頼まれて
 阿散井の、定期報告書を取りに来てる訳だし・・・。」


俺は休暇だしな・・・三日間限定だけど・・・。


そう呟いて、思い出されるのは

三席の都筑雅達を始とする、上位席官達の顔と隊員達

皆、口を揃えて云った事は・・・


『此方に戻っても・・・詰所には、絶対、顔を出さないで下さいね。
 休暇が終わるまで、出入り禁止ですからね!!』


其れが、隊を率い、纏めている

上官に対して云う言葉かと、思われるが

反論は、出来ないので・・・

此処は、素直に言う事を、聞いて置く事にした。

一護は、檜佐木迄の理由は、納得したが

「じゃあ、やちるは何で?」

一番の疑問・・・唯、単に付いて来た訳なのか?

彼女の年(見た目)では、どう考えても

任務と云う事でも、無さそうだし・・・。

第一、何時も一緒の、あの更木が傍にいないのだ。

年中休暇のような彼女が、此処にいる理由は?

一護の疑問に「ああ・・・」と、檜佐木は、短く答え


「やちるは・・・俺の彼女だから、連れて来たんだ。」


さらりと告げれば、一護も

「ああ・・・。
 彼女なんだ・・・って、やちるが、彼女~?!」

かなり驚いたのか

隣にいる、檜佐木に向かって、思わず叫んでしまう。

キーンと、耳元で騒がれて、檜佐木は、耳を押さえながら

「耳元で喋るな・でかい声出すな・叫ぶな!!」

後輩に良くやる、同じ接し方で、

拳骨で、一護の頭に、一発食らわす。

ゴンッ!と・・・良い音が響く。

「す・・・すんません。」

叩かれた、頭を摩りながら、一護が謝罪をする。

一護を見、其れから軽く溜息を付いて

檜佐木は、困ったような顔で、彼に問う。

「そんなに、驚くような事か?」


年下の彼女なんて、別に珍しくないだろう・・・?


そう告げるけれど、一護は

「檜佐木さん・・・何でも無いように、云ってますけど
 尸魂界じゃ、珍しくないんだろうけど
 こっちじゃ、珍しいと云うか・・・在り得ないと言うか
 大体なんで、(やちる)なんですか?」

檜佐木さんなら、彼女選ぶにしても、困らないだろうし・・・

一護は、目の前にいる、彼を見ながら思う。

此処にいる、彼は、顔に傷も無ければ、刺青も無い。

其れは、きっと、この地に降り立つ為、消しているのだろうが

尸魂界にいる時の、彼は、一護が、記憶している限り

傷や刺青が在る、顔立ちだけれど

でも、男の自分から見ても、かなり良いレベルだと思う。

彼なら、もっと他の人を、相手として選べそうなのに

如何して、因りに拠って、彼女なのだろう?

しかも・・・彼女と付き合えば

もれなく、更木剣八ご一行様が、付いて来るだろうに

・・・怖くないのか?

檜佐木は、一護を見ながら、キッパリとした口調で告げる。


「偶々、好きになった子が、年下だった・・・。
 それだけだよ・・・。」


余りに、近くにいすぎて、判らなかった・・・。


彼女が、傍から離れて・・・初めて判った。


己の中に、何時しか、生まれていた想い


離れてみて・・・彼女が(好き)なんだと、自覚した。


けれど、己は、彼女にとって、兄貴的な立場だろうから


離れて行った、彼女を繋ぎ止める事も、出来なくて


半ば、諦めていた・・・。


己の持つ気持ちは、彼女にとって、迷惑かも知れない・・・。


彼女がもし、誰かを好きになり、紹介をされたら


喜んで、祝福してやるつもりだった・・・。


だけど・・・彼女が選んだのは、己だった・・・。


本当は・・・今でも、己で良かったのだろうかと


時々、考えてしまう・・・。


彼女が、不安を持つように


己自身も、不安を持っている・・・。


如何すれば、互いに、不安を取り除けるだろうか?


・・・其の答えは、未だ、出ていない・・・


檜佐木は、自嘲じみた、笑みを浮かべると

「一護・・・傍にいすぎて、見えない気持ちも在る。
 ・・・お前は・・・見失うなよ?」


お前は、気付いてる・・・?


近しい人が、直ぐ、傍にいる事を?


聡い、お前の事だから


きっと、大丈夫なんだろうな・・・。


お前は、きっと、簡単に、跳ね除けようと、するんだろうな。


俺は、お前の、そう云う所が羨ましいよ・・・。


「・・・傍に、いすぎて・・・って、檜佐木さん?」

一護の質問に答えず、檜佐木は、フッと、笑うと

「まあ、やちるは、見掛けは子供だけど・・・
 死神として生きてる時間は、少なくとも、お前らの倍だからな。
 ・・・勿論、俺もだけどな・・・。」

ある意味、年上だよな・・・。

そう呟く、檜佐木に対し、一護は、顔を引き攣らせ

「いや、だからってね・・・流石に、不味いでしょ?」

「変な所で、ケチケチするなよ・・・。」

未だ、拘っているのか・・・と、呆れながら返せば

「ってか、其れ、死神世界でしか、通用しないし・・・。」

面白い位、言い返してくる彼に

檜佐木は、耳を塞ぐ真似をしながら

「あー、うるせ。ギャンギャン喚くのは、阿散井だけで良いし。」

犬は、二匹も、いらねぇ!!と、悪態を吐けば

「恋次と、一緒にすんなよ!修兵!!」

ピキーンと、其の場の、空気が変わる。

「・・・呼び捨てか?」

檜佐木は、己の目を少し細め、一護を見遣る。

顔に、傷は付いてないが、目付きの悪さは、健在なので

不機嫌モードで、睨みつければ・・・

「あ・・・・・・や、檜佐木さん。」

今のは、言葉のあやで・・・しどろもどろに、云い始めるから

其れが、可笑しくて笑ってしまう。

一護は、笑うな!とか、云いながら、顔を真っ赤にしている。

ポスッと、急に、腰に抱き付かれて

見てみれば、其れは、やちるで

やちるが、此方を見上げながら、頸を傾げて

「修ちゃん、何笑っているの?」

「ああ・・・一護が、可笑しくてな?」

なっ?と、同意を求め一護を見れば

一護は「元を正せば、檜佐木さんのせいだ!!」と云い

未だ、ブツブツ云っている。

やちるは、一護の方と修兵を、見比べていたが

やがて、自分が、どうして此処に来たのかを、思い出し

彼らに告げる。

「ふーん・・・あ、もうそろそろね、出発しようかって
 エンピツが、云ってたの・・・。だから、呼びに来たの。」

ニコリと笑う、やちるに、優しい笑みを向け

「判った・・・。」と、答えた、檜佐木は

彼女の手を繋ぎ、一護を見ると

「行こうぜ、一護。案内してくれるんだろ?」

「イッチー、お願いね?」

目の前に立つ二人を、まじまじと、見ながら、

「お、おう」と答え、連れ立って行く。

前を歩いている、二人を見ていれば

仲良く、手を繋ぎ歩いている。

何かを話しているらしく、会話が、時折聞こえる。

どちらかと云えば、やちるの声が、良く聞こえるのだが

けれど・・・尸魂界にいる時より

檜佐木の表情は、穏やかだ・・・。

若しかしたら、初めて見たかも知れない・・・。

尸魂界にいる時の彼は、己が、覚えている限り

何時も、厳しい顔付きをしていた。

其の表情を、引き出しているのは、やちるなのかも知れない。

「案外、似合っているのかな?」

一護は、二人の後姿を見ながら


アイツは・・・この二人の事を、どう思っているんだろう?


同じ隊長格を兄を持つ、彼女は・・・


彼女の瞳には、彼らの事は、どう映っているのだろう?


織姫達が、彼らを待っている。

桜の木々が溢れる場所に、彼らは向かう・・・。
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