ゆえの日常生活と創作小話。
『恋心・・・番外編/5、紅犬の野望と桜の巻』更新!
2007年03月26日 (月) | 編集 |
『恋心・・・番外編/5、紅犬の野望と桜の巻』更新です!

恋次、やっと、先輩に会えます・・・。

それでもって、何となく怪しいかも・・・。

黒恋次降臨???
【恋心・・・番外編/5、紅犬の野望と桜の巻】



現世に来た時、迷わないように

決めた、待ち合わせ場所は

(浦原商店)・・・其処の場所に

一護達が、彼らの事を、待っていれば

馴染みの在る、霊圧を感じたのか、振り向けば

其処には、恋次の慕う・・・先輩がいて

其の姿を見た途端、阿散井は

「檜・佐・木さーん!!」

と云って、飛び掛らんばかりの、勢いで走っていけば

檜佐木は、ニッコリと笑い

「阿散井・・・久し振りだな?」

一護達の見方では、恋次に犬の耳と尻尾が

生えているように見えて、大好きなご主人様に

抱き付こうとしたけれど・・・其のご主人様は

目の前まで来た、阿散井に対して

ヒョイッと、身体を避けると

「懐くな・抱き付くな・飛び掛るな!!」

と言って、阿散井の頸に

容赦なく、守刀を落としたかと、思うと・・・

更に、ドカッと、背中を踏み突ける。

阿散井は「ぐえ!!」と、蛙のような声を出し

顔面強打に、背中には、強烈な痛みが走る。

「ひ・檜佐木先輩・・・久し振りなのに
 何なんすか・・・!逢った途端、こんな事するんですか~!!。」

涙目で問う、阿散井に、檜佐木は、顔は笑っているが

目は、笑っていない状態で

「此れでも、一応、手加減しているんだがな?」

さらりと、告げた、言葉達に対して

一護達は、心の中で呟く。

『『『『アレで、手加減って・・・?!』』』』


あんた等、一体・・・


如何云う、コミュニケーション取っているんですか?!と・・・


思わず、突っ込みたくなるのを、押さえながら


事の成り行きを、見守る。



背中を踏み突けていた、足を、退けてやり

檜佐木は、己の手を差し出し、彼が起き上がれるよう

彼の腕を、引っ張りながら

「お前・・・朽木隊長に提出する筈の
 定期報告書、溜めているんだってな・・・。」

彼の口から聞くとは、思わなかった・・・。

情けない顔付きで、彼に聞き返す。

「な・・・なんで、知っているんですか?」


あんた、他隊の隊長でしょうが?!


何で、六番隊の・・・しかも


俺が滞らせている、書類の事まで、知っているんですか?!



阿散井の云いたい事が、判ったのか

檜佐木は、ふふん・・・と、人の悪い笑みを浮かべると

「・・・んな事、決まっているだろ?」

「私が話したからだ!!」

檜佐木の後ろから現れたのは、久々に会う、幼馴染の姿。

「んげ、ルキア?!何で、お前が、此処にいるんだよ!!」

彼女は腕を組み、仁王立ちスタイルで

「貴様が、書類を溜めているから、兄様に頼まれて
 取りに来てやったのだ。ありがたく思え!!」

其の様子を見ながら、檜佐木は、呆気に取られている後輩の

情けない表情を見て、面白いなと、思っていたが・・・しかし。

ルキア嬢・・・其の立ち姿は、癖なんでしょうか?

貴方・・仮にも、女の子でしょうが?!

などと、頭を抱えながら思わず、突っ込みをいれたくなった・・・。

「じゃ、無くてだな・・・。
 何で、てめぇが、檜佐木先輩といる?!」

互いの額が、くっ付く程、恋次が、ルキアに

食って掛かれば・・・。

阿散井の言葉に、檜佐木は眉を顰めながら

「おい、阿散井、メール・・・ちゃんと見たか?」

「・・・?」

何の事でしょうと・・・?!

思わず、顔に出ている、阿散井の顔を見て

檜佐木は、軽く溜息を付くと、呆れたような顔で

「俺は、お前に送ったメール文に
 ・・・ルキア嬢も、連れて行くと書いたぞ?」

そう教えてやれば、恋次は、間の抜けた顔で

「へ?!そうなんすか・・・?」

「おう・・・気が付かなかったのか?」

檜佐木が、眉間に皺を寄せ、聞き返せば、阿散井は

しゅん、と、俯いてしてしまい

「・・・・・・すみません。」

ちいさく呟かれた、謝罪の言葉・・・。

「馬鹿犬が・・・きちんと、朽木隊長に提出しろよ?」

落ち込んでいる恋次に、フワリと笑って

クシャリと、髪を掻き回す。


この人は、何時も、最後には、こうやって笑うのだ。


無防備に曝け出す、貴方の笑顔・・・。


自分が、どんな顔をしているのか、貴方に判りますか?


貴方が触れて来る、其の手を掴んで・・・


・・・抱きしめたくなる・・・!


其の衝動を抑えながら、恋次は、彼を見る。

檜佐木と視線が合い、如何した?と、でも云う仕草で

頸を傾げるものだから・・・

「あ・・・あの・・・。」

と、云い掛けた時


「修ちゃん、お話終わったの?」


声がして、檜佐木の影に隠れていて、見えなかったのだが

其処には、檜佐木と手を繋ぎ、後ろから出て来た

ルキア以外の、もう一人の少女・・・。

彼女の問いかけに、檜佐木が答える。

「ああ、もう、終わった・・・。」

其の返事に、小さな少女は、ニッコリと笑う。


彼女に向けられる、優しい言葉と、優しい瞳・・・。


・・・其の優しい笑みは、彼女に向けられていて


自分には、向けて貰えない物


あれだけ、近い存在に、いながら・・・


長い付き合いが、在りながら・・・


殆ど見る事が無い


大切な存在の人だけに、向けられる優しい瞳・・・。


忘れていた訳では、無かった。

彼が任務で、無い限り

余程の事が、無い限り・・・此処現世に

一人で、此処に、降り立つ事など無いのだ。

彼が、此方に来るのなら、当然

彼女と来ていても、可笑しくないのだから

「やちるも、来てたんだ・・・。」

ポツリと、零せば・・・

「お前、ほんとに、メール見てないんだな?」

そんなに、忙しかったのか・・・?

笑いながら、頭を、クシャリと、又、掻き回されて

恋次は「すんません・・・。」とだけ、答えるしかなかった。


大好きな人に逢えるのは、嬉しいけれど


出来れば、連れて来て欲しくなかった。


出来れば、逢いたくなかった。


出来れば、二人の仲を、見ていたくなかった・・・。


己が抱えている、感情は、叶わぬ想いで在り


まざまざと、見せ付けられているようで・・・


「・・・んな、つもりで呼んだんじゃねぇし・・・。」

「・・・?なんか云ったか?!」

ポツリと呟かれた、言葉に対し、檜佐木が、阿散井に

何時もの、笑みを見せれば・・・

阿散井は、視線を逸らし、己の拳を握る。


あんた、其の誰にでも、優しい笑み向けるの止めろよ。


期待しちまう・・・。


貴方は、誰にでも優しいから・・・


俺が、貴方に・・・この気持ちを言えば


受け止めてくれそうな、錯覚に陥りそうになるから


「阿散井・・・?」

檜佐木が訝しげに、彼を見ながら、名前を呼べば

阿散井は、慌てて、頸を振りながら、明るい声で

「何でもないっす!!
 先輩に、定期報告溜めている事が、バレているんなら
 腹括って、処理しなきゃならないかと、思っただけです!!」

考えていた事と、全く、違う事を、スラスラと紡ぎだす。

檜佐木は、笑いながら

「最初から、真面目に出していれば
 こんな事に、ならないだけだろ?」


後で、俺も手伝ってやるよ・・・そう呟かれて


「・・・お願いします。」

と、苦笑いを浮かべながら、返事を返せば

彼は「しょうがない奴だな・・・。」と、云って阿散井の額を小突く。

小突かれた額を、摩りながら

ポツリと零す・・・。

「簡単に、諦め切れる訳、無いじゃないか・・・。」

諦め切れる想いならば、とっくの昔に、諦めているけれど

唯、偶々・・・好きになった人が、同姓だっただけ

恋次の瞳に、翳りが落ちる。


先輩・・・俺が


貴方と、彼女の仲を


引き裂きたいと、思ってる事を、知ったら


貴方は、俺の事を軽蔑するかな・・・?



遠くで、一護達の声が、聞こえたような気がした・・・。
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