ゆえの日常生活と創作小話。
『恋心・・・(BLEACH)』5更新!
2007年03月19日 (月) | 編集 |
『恋心・・・(BLEACH)』更新です!

乱菊さんだけが、知っている・・・。

さて、一体なんでしょう?
【恋心・・・/5】



ぐすぐすと、泣きじゃくっていた少女は

一頻り泣いた後、優しく、抱いて、髪を梳いていてくれた

乱菊の顔を、見上げると

「乱ちゃん・・・ありがとう。
 泣いたら、すっきりしちゃった・・・。」

「そう?」

「うん・・・あたし、ちゃんと言うね。
 自分の気持ち、ちゃんと伝えるんだ・・・。
 気持ちを言わないで、後悔するよりは・・・。」


ちゃんと、伝えておきたいから


例え、妹としか見ていなくても・・・


彼に、好きな人がいても、構わないから


其れでも、構わないから・・


やちるの決意を聞いた、乱菊は、優しく微笑みながら

「やちるが、そう決めたのなら、もう何も云わない・・・。
 あんたの正直な気持ち、彼に伝えなさい・・・。」

乱菊の言葉に、やちるは、綺麗な笑みを浮かべ頷いた。

涙の後を、死覇装の袖で拭うと、やちるは、ピョンと

乱菊の元を離れ、ニッコリと、笑いながら

「乱ちゃん、あたし、用が在るから行くね!
 ケーキ、ご馳走様でした!!」

ペコリと、お辞儀をして、彼女は、十番隊を後にするのだった。

やちるが出て行くのを、見ながら

彼女は、口許に、笑みを浮かべながら

小さく、言葉を零す。

「頑張れ、やちる・・・。」


あんたの想いは、きっと・・・


あいつに、伝わる筈だから・・・




彼女の脳裏に、浮かび上がるのは

彼女の事で悩んでいた、彼の姿。

「乱菊さん・・・やっぱり、兄貴って存在は
 煙たがられる存在なんでしょうかね・・・。」

「はあ?!何よ、急に・・・。」

彼の横顔を見れば、彼の視線は、飲み会の端っこにいる

笑顔の似合う、少女に向けられていて

「・・・んー、女の子って、急に離れて行くから
 何時も傍にいると、思っていたから、何とも
 思わなかったんですけどね・・・。
 やっぱり、あれですかね、父親とか、嫌がるって云うから・・・
 俺も、煙たがれるようになったのかなーって・・・。」

だとしたら、更木隊長は、もっと大変なのかな・・・

等と、呟いていた彼・・・。

程良く冷えている、お酒の入った、グラスを飲み干して

「・・・何時か、彼氏とか、連れて来るようになるんですよね・・・。
 俺、そいつの事を、許せるかな・・・自信ないですよ。」

空になった、グラスを弄びながら、溜息を付いていた彼。

「あんた・・・何、親父くさい事、云ってんの?」

「親父で結構です、仕方ないでしょう・・・。
 あれだけ、懐かれていたのに、急に離れて行くから・・・。」


傍にいるのが当たり前すぎて


気付く事が、出来なかった


彼女が、何時か、離れていってしまう事に


繋いでいた手は、何時か、離れていってしまう事に


「・・・なんで、気付かなかったんですかね。」

何度目かの、溜息を付くのを、見ながら

乱菊は、彼から、グラスを取り上げ

グキッと、自分の方に、顔を向かせる。

そして、何かの、悪戯を見付けた様に

ニッコリと、笑う。

「あ~、判った。寂しいんだ・・・そっか、そっか。
 あははは、仕方ないな・・・
 ヨシヨシ、お姉さんが、可愛がってあげよう!」

「って、乱菊さん、何するんですか?!」

ぎゅ~っと、乱菊に抱き付かれて

慌てて、引き剥がそうとする、彼を尻目に

乱菊は、彼が、視線を向けていた方向を見遣れば

其の視線の先には

此方を、ほんの少し、泣きそうな顔で見ている

少女の姿・・・其の彼女が、見つめていたのは

自分が今、抱きしめて、この状態を困らせている、彼の後姿。

彼女と瞳が合って、ニッコリと笑ってみれば

彼女は、慌てて視線を逸らして、それ以上

此方を、見ようとはしなかった。


其の時は、何も思わなかったけど


「そうだったんだ・・・あの子の、好きな人って・・・。」


アイツの事だったんだ・・・。
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