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ちょっと落ち着いたので、更新

『 天使のキオク(君と僕はそこにいた・後日談9) 』

ほんの少しだけ、シリアス

でも基本は、楽しいお茶会な筈だ…………

リンゴのお菓子、まだ全然作ってない。週末お菓子作りたい。

家に帰宅してみれば、玄関には

同じようなサイズの靴が、幾つか並んでいる事に、気が付いた。

恐らく学校を休んだ一夜を訊ねて、クラスメイト達が来ているのかも知れない。

一人は、忍武でも見当がつく。

学級委員でもある(桐ケ谷護)

彼は、一夜が病院に入院している間も来てくれていたから、忍武とも面識はあるのだが…………。

けれど残りの靴の持ち主は、一体誰なのだろう?

予想するならば、一夜と同じクラスメイトでもある(カイル・ムーン)は

所属している部活の大会も、近い事もあってか、簡単に部活を休めれるような状況でない事を知っている。

其れに何より、一夜と共に、カイルを応援しに行く約束をしているのだから

カイルは今頃、一生懸命、練習に励んでいる筈だ。

だとすれば後考えられるのは、一夜とカイルの先輩にあたり、又、己の後輩にもなる

(武者小路藤丸)…………彼の可能性もあるのだが、生憎、彼は生徒会役員だ。

今の季節だと中等部全体で行う、親睦会の書類作成や、段取りに手を取られ

一人だけ抜ける事等、絶対に無理であり、真面目な彼の事だから

不平など口にせず、学園内にある

中等部専用の生徒会室で、仕事を熟しているのだろう。

何時だったか所属している(茶道部)に顔を出せないと、ぼやいていた事を

忍武は思い出し乍ら、リビングに向かおうとしていた時、丁度、お茶を乗せたトレイを持った、母と出食わした。

「お帰りなさい……忍武、貴方部活じゃなかったの?」

「今日は休ませて貰ったんだ。」

「一夜なら、熱は下がったから、心配ないわよって……お母さん、メールしなかったかしら?」

頸を軽く傾げて告げる、母の視線に耐え切れなくて

忍武は視線を横に逸らし

「仕方がないだろ、それでも心配だったんだ。」

大人びた顔を見せるかと思えば、まだまだ子どもの部分が、しっかり残っている長男に

母はクスリと笑い「仕方のない、お兄ちゃんね。」と云い

手に持っていた、トレイを見せて

「此れを一夜の部屋に持って行って頂戴。クラスのお友達が来てるのよ。」

「了解。」

忍武は二階に上がる、階段の近くに、荷物を置き

母の持っていたトレイを受け取り、一夜の部屋へと上がっていった。

置いた荷物の中に、隣クラスの彼女(神那ナオミ)から預かっていたものがあったが

其れは後からでも構わないだろう…………。

一夜の部屋まで来ると、軽く扉を叩いた。


そうして忍武を出迎えてくれたのは


弟の一夜ではなく


…………………………………鷲崎飛翔、鷹城電光の二人だった。





なんで、此奴等が、此処にいる!?





弟の部屋に、お茶を届け終わった忍武は、リビングで、母と一緒にティータイムをしていた。

「鷲崎君と、鷹城君だったかしら……面白い子達ね。」

母の表情は楽しそうだ。家に帰って来る迄、何かがあったのだろう。

けれど忍武は然して興味も無い様に「そうかな。」と、素っ気無く答えれば

母は注いだ紅茶のカップを、忍武の前に差し出し

「……だって、一夜が楽しそうだもの。」


はい、今日は、リンゴのケーキを作ってみました。


切り分けたケーキを乗せた皿を置けば、忍武は「いただきます。」と云って

一口大にして、フォークで衝くと、口の中へ放り込んだ。

程好い甘さ加減……口にいれたモノを咀嚼していれば、母の視線を感じた。

彼女は綺麗な笑みを浮かべ、此方を見ていた。

確かに、一夜は学園に、再び通う様になってから

病院で、ずっと入院生活を送っている時に比べれば

彼の表情は明るく、生き生きとしている。

毎日が楽しいのだと

其れは兄として、とても嬉しい事には違いなかった…………一夜の笑顔が見れるのだから。



だが、だからと云って



彼等………………鷲崎飛翔達との係わりだけは、止めさせたかった。



彼等との係わりだけは、一夜に持って欲しく無かった。






オレハ ゼッタイニ オマエラヲ ユルサナイ…………!!



イーグル……オマエダケハ ゼッタイニ   











「忍武?」



母の声に、思考の海から引き戻される。

「如何したの、怖い顔してるわよ?」

「ああ、ごめん。」

忍武は、気持ちを落ち着けるように

母が用意した、紅茶を飲み、口の中を潤した……。

そうして此方を見ている母に、至極真面目な顔つきで

「……俺は、鷲崎と鷹城達が、一夜に変な芸風を教え込まないか、心配だよ。」

ぐさっと、ケーキを切り分け、口の中へ放り込むと

彼は、空になった皿を、母に差し出した。

口を動かしているので、喋る事は出来ないが、彼の此の行動は、母に充分伝わっていた。

彼女は其れを受け取り

「心配性な、お兄ちゃんを持つと、一夜も大変ね。」

ふふふと笑い、彼女は、ケーキを切り分けた。

再び渡された皿の上には、大きめに切られたケーキが乗せてあった。





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テーマ : 二次創作 - ジャンル : 小説・文学