ゆえの日常生活と創作小話。
亀更新になってしまったが
2015年12月29日 (火) | 編集 |

『 天使のキオク(君と僕はそこにいた・後日談6 』


飛翔達、海堂家到着(笑)

忍武と一夜の母親の名前が決まったけれど、また後日乗せます。


「むう……」

恨めしそうに目の前に出された、食事を見る。

母が用意してくれた食事は、やはり体調が悪いせいか、半分しか食べる事が出来なかった。

其の様子を見ていた母は笑って「彼方にいる時に比べれば、食べれてるから大丈夫よ。」と云ってくれたけれど…………。

それでもやっぱり、残したくは無かった。



食事を終えた後、一夜は自分の部屋には戻らず、其の侭リビングにいた。

ソファで横になっていれば、母がブランケットを持ってきたので、其れに、しっかりと包っていた。

携帯を開き、未読にした侭のメール等を読んでいれば(専ら、カイルと電光の些細な分刻みの出来事)

何時の間にか、時間は経過してしまう。

夕方のいい時間帯と思える頃、自宅の呼び鈴が鳴らされた。

母が誰が訪ねて来たのか、モニターで確認をすれば「あら」と、明るい声が聞こえた。

一夜は「?」となり、モニター前にいる、母を見詰めた。

彼女はにこやかな笑みで「待ってね、直ぐ開けるから」と明るく云い終えると

モニター画面を切り、一夜の方に視線を向け「桐ケ谷君よ。」と伝えた。

母が彼を出迎えに行っている間

ソファから起き上がった一夜は、躰に掛けてあったブランケットを畳み

桐ケ谷を出迎えようと立ち上がった処で、母に案内され、桐ケ谷がリビングへとやってきた。

彼は桐ケ谷だけが家に来たのだろうと考えていたのだが、其れは如何やら違ったらしい。

桐ケ谷の後に続くように入ってきたのは、昨日振りとなる

飛翔と電光……二人の姿があったからだ。

二人は一夜の姿をみると、ぱあっと顔を輝かせたまま

「「一夜!!」」

名を呼んだかと思えば、其の場に立っていた一夜に、二人がいきなり抱き着いた。

彼等の行動に驚き、一夜の瞳が大きく見開かれた。

「え!?うわっ!!」

二人分の体重に耐え切れず、思わずよろけてしまいそうなるが

何時の間にか、一夜の後ろに回り込んでいた桐ケ谷が、その細い躰を支えた。

「……委員長、ありがとう?」

「どういたしまして……?」

「…………。」

「…………。」

「「何で、二人とも、疑問形なんだよっ(なんやっ)!!」」

流石お笑いコンビ、見事な程、息ピッタリな突込みだ。

けれど其れを褒めるような性格を、桐ケ谷は持ち合わせていない。

彼は容赦なく、飛翔と電光の頭を叩いた。

一見軽く叩いたように見えて、案外強い力が加わっていたらしい…………。


がんっ!ごんっ!


「「いっでえええええ~~~!!」」

其の場にしゃがみ込む二人に、桐ケ谷は冷ややかな視線を刳れた。

「お前達の頭は藁なのか?海堂は病人だぞ。其の事を忘れているんじゃないだろうな。」

…………あ、やばい。

其れが飛翔と電光の、素直な気持ち…………。

誰も委員長の、桐ケ谷の背後から黒い何かが渦巻いて見えるなんて、口が裂けても言えない。

きっと気のせいだ。うん、そうしておこう。

此れ以上桐ケ谷から説教を食らう前に

自分達が云うべき言葉は

「ごめん!なんか一夜見たら安心したって云うか……なあ?」

「そや、ついなあ……やってもうたんや。一夜、堪忍な?」

叩かれた部分の痛みを堪えつつ、飛翔と電光が互いの顔を見合わせたかと思えば

ぱんっと、手を合わせて、一夜に謝った…………。

謝られた一夜の方はと云えば、困ったような笑みを浮かべており

「ちょっと驚いたけど、でも気にしなくていいよ。委員長も、其れでいいよね。」

確認するように問われ、桐ケ谷は深い溜息を吐いた。

「……ったく。海堂、少しは怒っても良いと思うぞ。」

「アドバイスは有り難く頂戴します。」

彼の答えを返すように、ぽむぽむと一夜の頭を軽く叩いた後

事の成り行きを見守っていた、一夜の母親の方を見た。

「申し訳ありません。此方に来て早々に騒いでしまって…………。」

「良いのよ。気にしないで頂戴。此方も楽しませて貰ったんだもの。」

くすくすと小さな笑みを浮かべ、彼女は「ね?」という風に頸を傾げ乍ら、飛翔達を見た…………。

彼等を見た後、彼女は一夜の方を見ると

「一夜、桐ケ谷君達と部屋で、ゆっくり話したらどう。後でお茶持っていくわね。」

「うん。」

桐ケ谷達を連れて、一夜は、二階の自分の部屋へと向かった。

階段を上がる時に聞こえてくる声、それは楽しそうに笑う声が含まれていた。

彼女は其れを聞きながら、キッチンに入ると、手際よくお茶の準備を始めていくのだった。






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