ゆえの日常生活と創作小話。
天使パラレル更新
2015年11月24日 (火) | 編集 |
『 天使のキオク(君と僕はそこにいた10) 』

お子ちゃまワイワイ編は、此れで一旦終わり(笑)

時系列、結構バラバラに進みます。

実は、この翌日からの話も進めているのですが

ちょっと、もたついているので、他の話を進めます。(って云っても、多分……ザキ&ミナミの方だろうな(笑))

次は、文化祭編とか書きたいな(笑)



遅い昼食を食べた後、彼らは閉館時間ぎりぎりまで、館内を見て回った。

普段ならば通り過ぎるだけの、プリクラ機……けれど電光が面白がって、3人で写ろうと云い

写真を撮る迄の間、電光と飛翔がネタを始め

それはプリクラ機が、光るまで続き

既に始まっていると気付いた途端、慌ててポーズを、色々と決めてみたが

結局、仕上がりを見れば……

飛翔の顔が微妙に隠れたり、電光の顔が映っていなかったり

二人とも、何故か両腕だけだったり

ちゃんとまともに写り込んでるのは、3人並びで、真ん中にいた

一夜、唯一人だけだった…………。





楽しい時間は、あっという間に過ぎ去って行った…………。






駅に到着し、改札口まで来た時

「一夜、携帯持ってる?」

「……持ってるけど。」

すると飛翔は、デニムのジャケットから携帯を取り出し

「なら連絡先、教えてくれよ。」

「あ、わいも!一夜、教えてえな!!」

電光も、嬉しそうに、いそいそと取り出した。

一夜も携帯を取り出すと、連絡先を教え、教えられた……。

登録作業をしながら、電光は

「そういや、一夜……家まで、どうやって帰るんや?」

「親が迎えに来るって、さっきメールがあったんだ。飛翔君や、電光君は?」

「わいらは、ほら、あそこの駐輪場に自転車止めてん。今から自転車(チャリ)で帰るんや。」

電光が示した場所は、使用料を払えば、誰でも止める事が出来る駐輪場だ。

「いかちゃん、どうせ帰りにコンビに寄って、アイス食べるつもりでいるだろ。」

「流石ひーちゃん!よう判ってるやないか。そうや、帰りがけのアイスは、最高って……何云わすねん!!」


そんなんしたら、おかあちゃんが作ってくれた、ご飯食べれんやろ!!


軽く飛翔の胸を叩く、電光がいて

本当に何の前触れもなく始まる、二人の漫才の様な会話に、一夜が笑えば

「こぉーら、一夜も笑ろうてばっかりやのうて、俺の援護してんか。」

電光が軽く、一夜の額を弾く、真似をした……。

「ご、ごめん……でも、如何切り返してあげれば良いのか、思いつかなくて」

彼が素直に、そう告げれば

電光は顎に手を掛け、きらりーーーんという、音が聞こえてきそうなポーズを取り

ニヤリと悪役代官、差乍らの笑みを浮かべ

「うーん。まだまだ一夜は、お笑いの道に染まりきっとらんな。もうちっと修行させなあかんな。」

「そんな修行いらねえよ!!」

飛翔が素早く突っ込んで、思いっきり、電光の後頭部を叩いた。

同時に、一夜の携帯が鳴る。

二人に断りを入れ携帯を開けば、其れは迎えが到着した事を知らせるメールだった。

携帯を閉じ、二人を見遣ると

「親が迎えが来たみたいだから…………今日は誘ってくれてありがとう、二人とも、凄く楽しかったよ。」

ふわりとした、一夜の柔らかい笑みに

飛翔も、電光も、ほんの少しだけ心が落ち着かなくて

だから、其れを隠すように笑って

「うん、俺らも楽しかった。又遊ぼうな!」

「そうや、今度は時間厳守な?」

「うん…………じゃあ、また明日ね。」

別れの言葉を交わし、一夜は迎えが来ている場所へ向かおうとしたが

「一夜!」

飛翔の声に、一夜の足が止まる。

「何?」

飛翔は手に持っていた袋を、一夜に押し付けた。

「此れやるよ。流石に本物は無理だけど、此奴なら持って帰っても、平気だから。」

飛翔と渡された袋を交互に見遣った後、一夜は、袋の中身を開いた。

その袋の中に或るモノを取り出せば、中から出てきたのは…………………?


空色と白色の、ツートンカラーで彩られた


「…………イルカ?」


「あ、別に其の何て言いうか、唯さ……一夜、イルカ見て、凄い嬉しそうにしてたから。その記念にと思ってだな。」

飛翔が照れ臭そうに説明をすれば

一夜は先程見せた時と同じように、柔らかい笑みを浮かべ「ありがとう、大切にするね。」と告げた。

縫い包みのイルカを手にして、本当に嬉しそうな、一夜の笑顔を見る事が出来て

飛翔の顔も、自然と笑みになる。其の様子を、又電光が、こっそり撮影しているとは知らずに………………。

「じゃあ、俺行くね。二人とも、気を付けて帰ってね。」

無邪気な笑みを浮かべた、一夜の取った行動は

イルカの前足部分を使い「バイバイ」とする仕草をして見せた。

まさか、彼が縫い包みを使って、そういう事をして見せるとは思っていなくて

呆然としている飛翔と電光を余所に、一夜は駅構内出入り口へと向かった。

一夜の姿が見えなくなる迄、其の場にいた彼らは、口々に呟いた……。


「……アレは、反則だろ。可愛過ぎるだろ。」


「何と無くやけど、忍武が独占したいっちゅう、気持ちも頷けるかも知れん…………。」













手にしていたイルカを袋に入れ直し、駅のロータリーへと向かう。

迎えの車が停まる場所へ、足を向けた時

見慣れた車が、直ぐ目に付いたけれど、一夜の足は自然と止まる。

車のドアの前には、兄・忍武が腕を組んで立っていた。

「しーくん」

彼の声が聞こえたのだろう。忍武の視線が、一夜に向けられた…………。

「……お帰り、一夜」

何と無く兄の様子がち、ょっとだけ違うような気がして、一夜の先程までの、楽しい気持ちも萎んでしまう。

…………怒っているのだろうか?

兄に内緒で、相談もなく、飛翔達と出掛けてしまった事に

迎えの車に近付き、兄の前に止まる。

ちらりと、忍武を見上げたが、直ぐに視線を下げた。

「あのね、しーくん」と云い掛けた時、軽く溜息を吐くのが聞こえた後

「一夜」

忍武が名前を呼んだから、俯いていた顔を上げた。

彼はポンッと、一夜の頭に手を乗せ

「楽しかったか?」

「うん……。」

其の言葉に、一夜が答えれば

忍武は、フッと笑い、何時もの優しい兄の顔に戻っており

「一夜が楽しかったなら、其れでいい。けど今度は、素直に相談しろよ?」

忍武の言葉に、一夜が頷く。

「ほら、帰るぞ……。」

手を差し出せば、其の手は直ぐに繋がれる。

「しーくん、あのね、話……聞いてくれる?」

「当たり前だろ。一夜が、今日どんなに楽しかったか、聞かせてくれるんだろ。」

兄が促せば、一夜の顔に笑顔が浮かび

「あのね、今日ね……」


後ろの後部座席のドアを開け、一夜に乗る様に促した。


車は二人が乗り込んだ後、ゆっくりと走り始め、やがて駅から離れていくのだった…………。





家路に到着するまで、話は尽きる事は無かった…………。







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