ゆえの日常生活と創作小話。
兄弟パラレル更新
2015年11月20日 (金) | 編集 |
『 天使のキオク(君と僕はそこにいた9) 』更新です。

過去と現在の話が混じってます。

多分、腐向けっぽい感じの表現あり

というか、食べてる場面だと、一度はやりたくなる、アレです……。

やはり……一夜←飛翔 (片恋方式が好きです。飛翔の片思いは、過去から、ずっと引き摺ってます。)

でも今は友情を育む方に、必死です……。

そして海堂兄貴には、とことん、ブラコン発揮させたいと思うのです。




学園からの帰り道、駅前のドーナッツ専門店に目が行く。


別に甘い物が好きと云う訳でもない。寧ろ、普通のレベルだ。


だったら何故、此の店に寄るのか…………?と、聞かれれば、答えは決まっている。





…………一夜が、此処のドーナッツを気に入ってるからだ!!









弟に、お土産と思って購入したドーナッツを持って、門扉を潜り、玄関を開ける。


「ただいま……。」

スポーツバッグを下げた侭、リビングに顔を出せば

其処には、ゆったりとした午後の時間を楽しむ、両親が揃っていて

彼等は忍武が帰宅した事に気付くと「お帰りなさい。」と云って、温かく出迎えてくれた。

てっきり両親と一緒に、此処で過ごしているのかと思っていたのだが

一夜の姿は、見当たらなかった。

忍武は冷蔵庫から、お茶を出し、グラスに次ぎながら、一夜の事を聞いた。

「駅前のドーナッツ買って来たんだけどさ……一夜、部屋(うえ)?」

その問いに対し、母は、ちょっと嬉しそうに答えた。

「一夜なら、今日は、お友達と水族館に出掛けてるわよ。」

……友達?水族館?

「友達って……藤丸、それともカイル?」

怪訝そうな顔で問う我が子に、母は「いいえ、クラスの(お友達)って聞いているわ。」と告げた。

クラスの友達……其れが誰なのか、忍武は、お茶一口飲むと

「友達ねえ……俺の知ってる奴かな、桐ケ谷とか?」

一夜と同じクラスで在り、又委員長でもある(桐ケ谷護)ならば、忍武も面識はあった。

弟が入院していた時、毎日授業ノートやプリントを届けに来たり

彼が作成した問題集を持って来たり、授業で何処まで進み、一夜が困らない様にと勉強も見てくれていたからだ。

そのおかげで一夜は退院した後、学園に通い始めても授業に遅れずに、ついていけるのだ。

その桐ケ谷に誘われたのだろうか?けれど彼ならば、水族館というよりは、イメージ的にだ。


……どっちかって云うと、図書館の方が、しっくり来るんだけどな。


忍武が心の内で思っていると、父から帰って来た答えは、先程まで考えていたものとは違っていた。

「否、桐ケ谷君じゃなくて……確か(鷲崎飛翔)君だったかな。彼に誘われたと云ってたぞ。」

父の口から出た名前に、忍武の瞳が険しくなり、グラスを持つ手に力が入る。

「そいつ、お笑い芸人してるとか、言わなかった?」

「ああ、そんな事言ってたな。クラスの盛り上げ役だって、一夜が話してくれたぞ。」

「へえ……そうなんだ。」

少し素っ気無く返事をしてしまったのは仕方が無い。

忍武が難しい顔をしている事に気付いた母は

自分の身長を、既に追い抜かしている、息子の頭を優しく撫でると

「大丈夫よ、忍武……ちゃんと薬は持たせてるし、帰る時は、迎えに行くから連絡しなさいって云ってあるから。」

「ね?」と微笑まれ、忍武は「そうだね。」と云い、飲み終わったグラスを、キッチンのシンクに置いた。









あーーーん、もぐもぐもぐ、しゃくしゃく……ごっくん!


「かあーーーー!人間、やっぱり、食べてる時が幸せやーーー!!」

ほやんと蕩ける様な表情を見せる電光が、カレーを頬張り口を動かす。

口の端に、カレーのルウがついているのは、此の際お約束であり、ご愛敬だ……。

「デカいとは聞いた、確かに聞いた。けどな?何だよ、此のカツカレー、カレー皿並みにデカ過ぎだろ!!」


野球のグローブ並みに、デカいんじゃねえの?


飛翔の例えに、隣で大人しく座っていた、一夜も、こくこくと頷く……。

電光は満足げな顔で、スプーンを揺らし

「其れが此のカレーの売りやねん!唯デカいんとちゃうで?ちゃあんと拘って作っとるんや。」


サクサクで、肉は柔らかい!冷めても美味い!


せやから此処のレストランは、雑誌やテレビで紹介されるんや。


飛翔達に説明が終わると、電光は大きな口を開けて、カツを頬張った。

サクッと噛締める音が聞こえる。

「うまあああ~~~」

相方のだらしない顔に、飛翔は項垂れつつも、隣でオムライスを食べている一夜を見た。

オムライスは所謂、卵がふわとろ……デミグラスソースが掛かっていて、グリンピースが飾りでついており

添え物で、キャベツの千切りがあって、その上にポテトサラダとプチトマト

此れで一枚の皿に盛られているのだから、此処のレストランは、結構侮れないかも知れない…………。

「一夜、そのオムライス美味しいか?」

「うん。よければ、一口食べてみる?」

「……いいのか?」

「勿論。」と云って、オムライスを一口掬うと、一夜は綺麗な笑みを浮かべて、飛翔の方へと差し出した。

「はい、どうぞ。」

「…………!?」


ちょっと待て!こうやって、差し出す姿…………此れじゃあ、まるでアレか!?


冷や汗を掻いている飛翔に対し、更に追い打ちを掛けるように

「ぐふふふふふ……恋人同士の、アーンやな?」

にまにまと、蒲鉾目を浮かべた電光の言葉に、飛翔は慌てて彼の口を塞いだ。

「ふががががが!!」

「莫迦、そういうんじゃねえから!一夜、気にするなよ!!」

ジタバタと暴れる電光を押さえつけ、飛翔が一夜に云うけれど

彼はキョトンとした侭、二人を見詰め

「如何云う意味かよく判らないけど……しーくんと食べる時、何時もこんな感じだよ。」

「「なんですと?」」




…………って、うぉい!!海堂兄貴(ブラコン)あんたは、一夜に、こんな事をさせてるのかあああああ!!




或る意味、精神的ダメージを受けた飛翔と電光は

何故だかドヤ顔で、此方を見下している、忍武の顔を思い浮かべてしまった。

二人は一夜に背を向け、ひそひそと、会話を聞かれない様に話し始めた。

「忍武の奴、どんだけ独占欲強いねん。彼奴、過去と性格変わっとうやろ!!」

「確かにな……けど、俺は一夜の天然振りに驚かされる。彼奴、何も思わねえの?」

「飛翔、あれはきっとインプリンティングや、ちっさい頃から、忍武に教え込まれたんや。」

「……つう事は、一夜は(雛鳥)だったのか!?」

「そうやって……ちゃうわ!ボケは、今いらんわ!!ええか?今のまんまやと、一夜、絶対危ないわ。」

電光の言葉に、まるで某絵画の様な顔つきで青褪め、叫びたいのを、我慢して……

「なあ、ちょっと位、毒舌一夜成分が恋しいと思う、俺はマゾなのか?彼奴に罵られたいと思う、俺はマゾなのか?」

何故か涙目で切実に訴える、飛翔に、電光は慰めるように軽く肩を叩き

「安心せい、ひーちゃん……それは、わいも一緒や。」

「…………。」

「…………。」



「「ツンデレ女王様が恋しいわーーー!」」







飛翔と電光は一頻頷きあった後、何も知らず

此方を見て、コテンと頸を傾げてる、一夜の傍まで来ると

いきなりぎゅうっと、一夜の躰を抱き締めた後、まるで小さな子どもに言い聞かせるような口調で


「「……一夜、もうちょっと危機感抱こうな!!」」



「……うん?」



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