ゆえの日常生活と創作小話。
今回も短くてですね
2015年11月14日 (土) | 編集 |
『 天使のキオク(君と僕はそこにいた7) 』更新です。

続けざまで、短めです。

何だかんだと……飛翔も電光も、一夜に甘いのです。

電光の云った「面白い」と云う言葉の意味は

レストランにいながら、イルカの水槽の内部が見れる上

更には、イルカ達が泳いでいる姿が見られると云う、意味合いが含まれていたのだ…………。

確かに、イルカ達の楽しそうに泳ぐ様が、真近で見られるから

レストランは昼が過ぎているにも関わらず、多くの人で賑わいを見せていた。

彼方此方から楽し気に話す、声が聞こえる。

飛翔達は運よく、水槽側の空いたテーブルに座る事が出来ると

テーブルに設置されている、メニュー表を見た。

「一夜、好きなもの食おうぜ!なんたって電光の奢りだからな!!」

ダッシュ・ゲームの勝者は、飛翔と一夜であり

ゲームに負けた電光は、彼らに昼食を奢るという試練を負わされたのだ。

如何やら、あの言葉は本気だったらしい事だけは判った。

飛翔の言葉に、電光が素早い反応を見せ

「ちょお待ち!」


お前、そう云うて……いっちゃん高い、此のステーキミックス・グリルスペシャル頼もうとしてんちゃうやろな?


「あ、バレた?」

悪びれるでもなく、案外あっさりと告げる飛翔に対して、電光は「むっきいいい!値段考えや!!」と叫んだ。

「桁が一個ちゃうやろ!!」

すると飛翔は、ハリセンの代わりに

メニュー表で、電光の頭を叩く真似をしてみせ

「……嘘に決まってるだろ。俺達の懐具合なんて、多寡が知れてるだろ!」

だから、ビシッと、電光の鼻先に指を突き付けて

「つう訳で、俺は、ステーキ丼セットね。一夜は決まったか?」

「うん、オムライスにするよ。」

「単品にすのるか?」

飛翔の問いに

「セットだと、食べ切れる自信がないしね。」

ちょっと困ったような顔で云えば、飛翔はメニュー表を見て

「じゃあ、電光……飲み物位付けても良いよな?」

「ええで、一夜は細っこいからな。此の際ケーキも付けたろか?」

飛翔と電光……二人の間で交わされる会話に

「そんなの電光君に悪いよ、飲み物位、自分で払うし、其れに食べ切れるか如何かも判らないよ。」

「大丈夫やって!此処食事と一緒にデザート頼んだら、デザート代金は半額になるんや。」


其れに、飲み物も、食事とセット出来るようになっとるしな。


せやから、心配いらんって……!


電光は、一夜の不安を拭う様に笑って云い、飛翔は、其れが当たり前の様に云うのだ…………。

「ケーキは、全員で突けば良いんだからさ。」

「ほな、決定でいこか。一夜、飲み物とケーキ……何がええ?」

にこにこと笑い乍らメニュー表を見せる二人に、一夜は素直に頼むしかなかった。

「…………紅茶とフルーツタルトで、お願いします。」

二人其々の注文を聞いた電光は、財布を持ちながら

「ひーちゃんはステーキ丼セットで、一夜はオムライスとケーキセットで、紅茶とフルーツタルトやな。」


……わいは、カツカレーセットにしよ。此処のカツは、大きくて美味いんや!!


うきうきとしながらレジへと向かう、電光の後ろを見乍ら

「一夜、悪いけど、荷物見てて貰って良いか?」

「良いよ。」と答えれば「電光手伝って来るから、頼むな?」と云って、飛翔は電光の後を追い掛けた。





二人を見送った後、一夜は水槽に目を向けた。

水槽の中にいる、イルカ達は

皆自由に泳いでおり、一夜は、其の動きを見詰めていた…………。

スッと、水槽に手を当て



「…………此処から見える景色も違って見えるのにね。」



如何して、あの場所から見える景色は、全部同じなんだろう………………?



ゴポッと、水の音がして、水槽を見遣れば、

一匹のイルカが、一夜の前にいた。

彼の……鳶色の視線に合わせるように

イルカは、此方を見ていて…………そして、元気を出してと云いたげに、水槽に大きな躰を摺り寄せた。



「慰めてくれてるのかな……?」



イルカの行動に、少し驚きながらも

一夜は触れられないけれど、イルカの躰を撫でるような仕草をして見せた。



「ありがとう……。」



イルカは一夜の傍を離れる事はせず、彼の気持ちが落ち着く迄、其の場に留まり続けていた。







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テーマ:二次創作
ジャンル:小説・文学