ゆえの日常生活と創作小話。
兄弟パラレル更新
2015年11月12日 (木) | 編集 |
『 天使のキオク(君と僕はそこにいた5) 』更新です。

意味ありげな言葉ばかり出てきます。

けど基本は、お子ちゃまワイワイです。



此の3人と後、カイルと桐ケ谷君

何気に着ぐるみを着せたい衝動に駆られる。

修学旅行ネタとか考えたいけど、年齢設定が中学一年生だしな(笑)



水族館(アクアリウム)に到着してから、3人は館内を見て回った。

「此れ如何や!似てるか?」

「電光、お前の其れ、フグじゃねえよ。アレだろ、アッチョンプリケーって、奴だろ!!」

水槽の前に行くと、如何もやらずにはいられないのか………………。

電光は兎に角、魚の顔真似をして見せた。

飛翔は呆れていたが、時々電光に付き合わされ、二人で魚の顔真似をして見せたり

即興漫才のネタにして、オチが着かなくて、困ってみたり…………。

一夜は兎に角、何もかも、初めて見るものだから、色々物珍しそうに見ており

時々、飛翔に質問したりしていたが、そういう時でも

電光が、お笑いを交えてしまうものだから、結局収拾が付か無くなる事が多くて

行き成り、一夜に丸投げをしてしまう

電光がいて、そういう時は、一夜も困ったようにしか笑うしかなかったが

けれど3人とも、始終笑顔が絶えなかった…………。



大型水槽前では、幻想的な雰囲気が醸し出されており

其の中を、沢山の種類の魚が泳いでいた。

優雅に泳ぐ様に、一夜は目を奪われていた………………。

一夜が水槽を見ている後ろでは、飛翔と電光が館内の、案内パンフレットを開いており

「どないする、もう少ししたら(イルカショー)やけど、移動するか?」

「そうだな……人が混む前に、移動の方が良いよな。」

「なら、決まりやな!」

電光が案内パンフレットを折畳んでいる内に

飛翔は一夜の名前を呼ぼうとしたが、直ぐには呼べなかった…………。

大型水槽を見ている一夜は、何処か儚くて

其の体に触れてしまえば、消えてしまいそうに見えて…………

声を掛ける事さえ憚られる、そんな雰囲気を漂わせていた。

「どないしたんや、飛翔?」

「電光……いや、ちょっと声掛け辛くてさ。」

ひょいっと、其の視線の先を辿れば、なんとなく判ったのだろう。

電光は「うん、まあ……そやな。」と、一人納得をすると

ポンッと、飛翔の肩を叩き

「わいが席確保しといたるから、飛翔は、後から一夜と一緒に来たらええ。」

「良いのか?」

「別に、ええって……何や今、一夜に声かけんのも気の毒や、気の済むまで見させたり。」

相方の気遣いに、飛翔は有り難く思いながら

「……電光、サンキュな。」

「気にすなや、ほな、また後でな?」

電光は片手を上げ乍ら云うと、イルカショーが行われる予定の、水槽プールへと足を向けた。

飛翔はその後姿を見送った後、大型水槽を見ている

一夜の許へ行こうとしたが、一旦足を止め、電光とは違う、反対側の通路へと向かった。




大型水槽の中には様々な種類の、魚の群れ達が泳いでいる…………。

時折、光の加減で薄暗くなったり、明るくなったりを繰り返し、水槽の中を照らし出す。

其れ等を見詰めていた時

「…………!?」

ピタッと、冷たい何かが頬に中り、一夜が確かめようと見遣れば

ぬっと差し出されたのは、ペットボトル………其れを持っているのは飛翔だ。

「何飲むか判んなかったから、スポーツ飲料買って来たんだけど…………」

「うん、此れで大丈夫。ありがとう……。」

飛翔から手渡されたペットボトルが、一夜の手の中に納まる。

彼の隣に座った飛翔は、ペットボトルの蓋を開け乍ら

「さっきからずっと見てるけど、こういうのって飽きないのか?」

「……見てて飽きないよ。だって皆泳ぐ度に違うし…………其れに、ずっと同じじゃないからね。」

そう告げた時の一夜の横顔は、何故か寂しげに見えた……。

寂しそうな顔を如何にかしてあげたくて、気付けば、飛翔は彼の頭を撫でていた。

ほんの少し驚いた鳶色の瞳が、飛翔を見ている事に気付き

己が取った行動に、慌てて手を放した。

「……飛翔君?」

「え、あ……ごめん!なんか、うん……何だろう。良く判んねえけど、何と無く?」

何故か疑問形で答えてしまった飛翔に、一夜は軽く吹き出した。

其れを何とか収めると、一夜は

「飛翔君ってさ、ずっと同じ場所にいて、同じ景色って見た事ある?」

其れは何でもない質問。

意味が在るようで、意味のない質問だ。

「なんか謎かけっぽいな……同じ場所、同じ景色か。」

此方を見詰める一夜は、何時もと変わらない、優しい笑みを見せている。

飛翔は腕を組み、難しい顔をしながら

「うーーーん……無い……無いかも知れない。」

飛翔の出した答えに、一夜は「……そうだよね。」と呟き、飛翔を見遣ると

「ごめん、変な事を聞いて……此の事は忘れてくれて良いよ。」

「一夜?」

彼は、それきり答えず、唯ふわりと、綺麗な笑みを向けるだけだった…………。


ちゃっーら、ちゃらちゃちゃっちゃら~~~

飛翔の携帯から流れるメロディーが、静かな館内に響き渡る。

デニムジャケットのポケットから、携帯を取り出し、通話を押し

電話に出れば、其れはイルカショーの席取りを任せた、電光からであり

彼はもう直ぐ、ショーの始まる時間が迫って来ている事を知らせて来たのだ。

飛翔は「直ぐ行く。」と答え、携帯を切った。

隣にいた筈の一夜は、魚の種類が書いてある、プレートの処に移動しており、其れを見ていた。

一夜の謎かけの様な言葉の意味が、気にならない訳ではないが

何と無く、彼は答えてくれないような気がした。


「……今も昔も、大事な事は、何一つ教えてくれないんだな。」


落とした言葉は、誰にも届かない。

飛翔は軽く溜め息を吐き、そして切り替えるように

「一夜、電光からイルカショーが始まるって、連絡が入ったから行こうぜ!!」

「うん。」




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