ゆえの日常生活と創作小話。
天使、兄弟パラレル更新
2015年11月10日 (火) | 編集 |
過去の話と現在の話、伏線と、シリアスが絡んでます。

でも基本は、お子ちゃま達の一日です。

そしてちょこっとだけ、海堂家の事情が垣間見えます。


『 天使のキオク(君と僕はそこにいた4) 』


***** 設定補足 *****

*** 飛翔達の服装(あくまでイメージです(笑))

電光の服装は、スーラバっぽい感じ(ゆるだぼっとした感じで、ネオンカラー系で幾何学模様が描かれてます。)

飛翔の服装は、デニムジャケット・ボーダーTシャツ・カーキのデニムパンツ・スニーカー

一夜の服装は、Gジャン・グレーのパーカー・Tシャツ(黒)・ブラックのデニムパンツ・スニーカー



自室に戻った一夜は、図書館で借りてきた本を

手に取っているものの、次のページを捲る気配は無かった…………。

読み掛けのページに、栞を挟み

ベッドから降りて、机の引き出しに仕舞っていたチケットを取り出した。

其れはあの日、飛翔から手渡された水族館(アクアリウム)のチケット…………。

飛翔は真直ぐな眼差しを向けて云ったのだ。


『……俺、待ってるから…………一夜が来るまで、ずっと待ってるから。』


「なんで、俺に構うの?」


俺なんかに構わなくても良いのに訳判んないよ…………。




一夜の世界は白い箱から始まっている。

幼い子どもの頃から、ずっと入退院を繰り返してばかりで

(友達)と呼べる存在など出来る筈もなかった。

勿論病院にいるのだから

其処で入院して来た子達とは仲良くなるけれど、其れでも、一夜の様に、ずっと病院にいる訳じゃない。

病院を退院してしまえば、其れで終わってしまう関係だ。

学校だってそうだ。

学校に通える事はあっても、其れは極僅かな出席日数しか無くて…………

顔を覚えて貰う方が難しくて…………


だから、何処かで友達を諦めていた。


友達になっても、どうせ直ぐ忘れられてしまうのだ。


だったら、友達なんか出来なくて良い…………。


期待するより…………………諦める事の方に慣れてしまった。


なのに、如何して?



「判んないよ。」



こういう事は初めてで、如何すれば良いのか判らない。




期待しても良いのかな?




…………………………………でも、怖い




『…………………一夜が来るまで、ずっと待ってるから。』




…………飛翔の曇りのない、蒼の瞳が射抜いていた。




一夜はチケットを握り締めると、階下へと向かった……………………。









彼との約束時間は(10時)……………………だけど今は?

「なあ、飛翔…………30分過ぎたな。」

「…………彼奴は来る。絶対来る。」

腕を組み仁王立ちをしている飛翔は、或る意味目立っているとも云える。

そんな飛翔の隣にいる電光も又、奇抜なファッションで、悪目立ちをしているのだが

待ち合わせの目印としては良いのかも知れない。

何しろ、二人の周囲には、ぽっかり空間が出来ていているのだから

誰にも邪魔はされずに済む。

電光は軽く伸びをし、ストレッチ紛いな事をしながら

「……彼奴、忍武(兄貴)に、バレて来れんのとちゃうか?」

飛翔は一度電光に視線を向けたが、直ぐに駅構内の出入り口に視線を戻し

「いいや…………一夜は、絶対来るよ。」

全く、何でそう言い切れるのか、彼が来ない事を考えないのか…………?

電光は被っていた、キャップを被り直し

「飛翔(イーグル)と一夜(クロウ)にしか判らん、繋がりでもあるんかいな。」

「さあ、如何だろうな………。」

意味ありげな笑みを浮かべる飛翔に、電光は「ドヤ顔で答えなや。」と、飛翔の頭を小突いた。

そして飛翔と同じように仁王立ちポーズを取ると

「まあええわ……ひーちゃんが信じる云うんやから、待っといたろ。」

「但し!!」ビシッと指先を飛翔に突き付け

「きいひんかったら、お好み焼きメガサイズ奢って貰うで!!」

其の言葉に、飛翔は「……判ったよ。」と笑い乍ら答えたのだった。



何度も通り過ぎる人の波……此の人の波を、今日は何度目にしただろうか?

ぼうっと、眺めている時だった。

駅構内の出入り口、其処から見知っている人影が現れた。

何時もの制服姿とは違う、彼の姿

………ほんの少し大人びた服装で、キョロキョロと周囲を見渡している。

飛翔の口元は弧を描き、そして

「おーい、一夜!こっち、こっち!!」

大きな声で名を呼び、手を振ってやる。

周囲の人たちが何事かと、足を止め、飛翔達を見る。

一夜はちょっと驚いたような顔を見せたが、慌てて、彼らの方へとやって来る。

二人の許へやってきた一夜に

飛翔は「……来たな、うん。先ず先ずって感じだな。」と満足げに呟き

そんな飛翔の態度に電光は「お前、何が云いたいねん。」と突っ込み

其れから一夜に愛嬌のある笑みを見せ、挨拶をした。

「おはようさん、一夜!」

「……おはよう、ごめん。遅くなって……その、俺…………」

一夜が気不味そうに云い淀んでいると、飛翔は一夜の手を握り

蒼い瞳を細めて、笑い掛けると

「そういうのは良いから、行こうぜ。」

「そうや、そうや!今日は思いっきり遊ぶんや!!楽しまな、あかん!!」

何時もの調子で、電光が言い切り、一夜の細い躰を、後ろからぐいぐいと押した。

「ほな、出発すんで!」」

「行こうぜ、一夜!」

「……うん!」


漸く合流出来た3人は改札を通り、電車で目的の場所へと移動し始めるのだった。


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