ゆえの日常生活と創作小話。
鋼鉄の翼……連載更新
2015年10月25日 (日) | 編集 |


『 言葉のいらない約束 』 第12話更新

色々と妄想ネタ浮かんでおります。

カテゴリーも、小分けパックで増えております。


*****

子ども時代の一夜は、未だ性格が柔ら掛かった筈……アレは、クロウに覚醒してからだと思うの。



「ねえ……若し良かったら、一緒にお手伝いしてみない?きっと楽しいと思うわ!」



きらりに誘われ一緒に来たけれど、彼等が来た場所

其処は、彼女がよくボランティア活動で、よく訪れる(孤児院)だった。

此処には様々な理由から預けられている、子ども達が沢山いた。

初めて訪れた場所に、最初は飛翔も、一夜も戸惑いを見せていたが

時間が経過するうちに、其れは消え去っていく。

遊び始めてしまえば、子ども達の間にある、垣根は取り払われてしまうからだ……。

飛翔は外で、忍武やカイル、電光と云った面々に囲まれ

活発そうな男の子達と一緒に、広い園内を駆けずり捲って、遊んでおり

逆に一夜は小さな女の子達に囲まれ、御飯事や、絵本の読み聞かせ

折り紙などで、一緒に遊んでいた……。

偶に外を羨ましそうに見詰めていたが、それでも己より、小さな子どものいる輪から離れる事は無かった。

一夜達の傍には、きらりや藤丸・疾風達がいて、彼女達は、皆のおやつの用意をしている。

室内で過ごしている、子ども達の様子を見て、疾風は口元に笑みを浮かべ

「なんか、すっかり懐かれちゃってるよね。一夜さん」

「そうですね。さっきの御飯事の時、旦那さん役も初々しくて……僕カメラに収めたかったです。」

其れを思い出したのだろう。藤丸が物凄く、残念そうに言う。

逆に疾風は「カメラ?」という単語で引っ掛かったらしく

「藤丸君、カメラより、ビデオカメラの方が良いんじゃない?」

「疾風君、今からでも間に合うでしょうか?」

本気で、そう考えているのだろう。

物凄く真面目な顔つきで言ってくる、藤丸に、疾風は笑って誤魔化すしかなく

きらりは、そんな彼らの会話に耳を傾けながら、くすりと、小さな笑みを浮かべた…………。



突然、ガラッと大きな扉を、スライドさせる音がして、室内の中にいた

全員の視線が、音の方向へと集中する……。

扉から顔を覗かせたのは、先程まで、外で子ども達を相手にしていた

電光と、カイルの二人だった。

「如何したのさ、電光?」

「カイルさん、何かあったんですか?」

疾風と藤丸が、夫々に声を掛けたが、電光は軽く手を振り、カイルも笑って否定をした。

「交代しに来たんや。」

「交代?」

誰と……?と、疾風が問えば

電光は「そんなん決まっとるやないか」と、笑いながら、軽く顎で示して見せた。

彼が示した先にいたのは、小さな女の子にせがまれて、本を読んでいる、一夜であり…………

「一夜さん……?」

「せや、飛翔の奴……ずっと、こっち気にしとんねん。一夜が一向に、こっちきいへんから」

きらりが呟いた名前に、電光が軽く笑って答えた。

「飛翔の奴な……時々、こっちの様子を窺ってるねん。」


彼奴、一夜も一緒に遊べると思うとったみたいで、せやけど一夜は、女の子達に掴まっとったろ?


其れで、少しだけ拗ねとるみたいやから、俺らがこうして、此処に来た訳や…………。


ま、飛翔が一夜と仲がええっちゅうんは、もう判っとるしな。


電光の言葉に、其の辺りは、疾風達にも判っていた事で

何処かで見計らって、外に行かせてあげようと思ってはいたのだが

けれど此れが中々、女の子達が離れたがらずに、今に至っていると云う訳だ。

或る意味、電光達が来てくれて良かったのかも知れない。

カイルは女の子達に囲まれている、一夜の傍に寄り、軽く肩を叩いて

何時もの様に、明るい口調で

「一夜殿、拙者達が代わるでござるから、外で、飛翔殿達と遊んで来ると良いでござるよ。」

カイルの申し出に一瞬、一夜の顔が明るくなるが

しかし何かに気づいたらしく、隣を見遣れば、小さな女の子が、ぎゅうっと服の裾を掴んでいた。

「にーちゃ、いっちゃう?」

ちょっとだけ泣きそうな瞳で見上げられ、一夜は困ったような顔を浮かべたが

彼女の頭を優しく撫でてから、カイルを見た。

「俺、まだこっちで、大丈夫です……。」

小さな笑みを浮かべて、そう言い切ると、一夜は女の子の方を見て

「絵本の続き読もうか?」

其の言葉に女の子は嬉しそうに笑い、一夜の手元にある本を覗き込んだ。

カイルは暫く、一夜達の様子を見ていたが、やがてニッと笑うと

「拙者も、一緒に聞くでござーる!!」と叫んで

一夜の隣に座り、彼の傍にいた女の子を抱き上げ、膝の上に乗せた…………。

其の様子を見守っていた、きらり達は、電光の方を見た。

彼は肩を軽く竦めると、何時もの調子で

「……しゃあない、飛翔の相手は、俺が引き受けたるわ。」

「頑張ってね、電光君」

きらりがくすくすと笑いながら、電光を励ませば

「おう、きらりちゃんが応援してくれるんや、頑張ったるわ!!」

ガッツポーズをして見せ、電光は外へと足を向けた。







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