ゆえの日常生活と創作小話。
週末も行事なので……更新再開
2015年10月09日 (金) | 編集 |

『 言葉のいらない約束 』 第9話目更新です…………。

今更ですが……某ネズミの国の、悪戯大好きな青いアレが(コウモリ)モチーフと知りました。

ずっと(コアラ)だと思ってました。

コウモリとは……やばい、一夜、何気にブラッドと繋がってるし……(笑)




「飛翔さん、敷いてる傍から、暴れないで!!」


「一夜さん、そっち引っ張って貰えますか?」






あれから風呂の用意が出来たと、エースが呼びに来て

大人数の為、交代で風呂に入り(飛翔と一夜は、疾風+藤丸と、一緒に入った。一番安全圏と認識したらしい。)

大鳥家お抱えのシェフ達による、夕食を皆で頂いた………………。

夕食の時、若しかしたら好き嫌いが出るかも知れないと、多少の不安要素はあったが

此処に帰って来る迄と、帰って来てからも、しっかりと運動をしたせいもあってか

大鳥家お抱えシェフに拠って用意された食事は、きちんと凡て綺麗に平らげていた。

勿論、特製デザートもだ。

唯、二人とも……人参とピーマンには、少し手古摺ったようだったけれど……………………。




そうして就寝時間

元々映画館だった場所を利用しているので、部屋数は限られている。

夫々、二人一組での方向で話が纏まり掛けたのだが

「どうせなら、何処か広い場所でキャンプみたいに、一緒に寝たほうが楽しいでござるよ、ニンニン!!」

カイルの提案に、根っからのスポーツマンシップな忍武は勿論

面白い事大好きな電光も「賛成」の声をあげ、其の提案に、特に反対する理由もなく

全員で雑魚寝をする為、布団を持って、2階の稽古場へと移動をしたのだ。

子ども達の寝る場所は、疾風と藤丸の間だ。

最初はカイルが隣で寝ると駄々を捏ねたのだが、カイルの近くには電光がいる為

又寝ている間に、飛翔や一夜に悪戯されても困るし

それに何より電光は子ども達に、全くと言って良い程信用されていない…………。

結局、飛翔と一夜に如何したいかと聞いた結果、彼らは疾風と藤丸を選んだのだった。

そして今の二人の格好は、疾風が用意した、パジャマを身に着けている。

パジャマと云っても、キャラクターの着ぐるみだ。

飛翔は電気系統を扱うネズミで、一夜は悪戯大好きな青いコウモリだ。

二人の此の姿を、当然美少年センサーを持つ、玲子が見逃す筈もなく

下心丸出しな顔をした玲子に追い駆けられながら、写真を撮られ捲ったのは云うまでもない。

布団を敷き終わり、未だ寝てしまう時間でもないので、忍武は片隅でお決まりの筋トレ腕立て伏せをしており

電光は布団の上で、携帯の機能を使い、お笑い番組を見ており

銀河は次の単品の仕事、時代劇の台本を読み込んでおり、カイルは電光に借りた漫画を読むのに夢中になっている。

エースと、聖人は観客席で話し込んでいる。

すっかり二人から信用されている、疾風と藤丸と云えば

二人を交え集団宿泊では、定番中の定番とも云える遊び(トランプ)をしていた。


…………ババ抜きだ。


飛翔の手が、一夜の手札2枚のうち、どちらを選ぼうかと、うろうろと彷徨う。

左……否、右……という風に彷徨っていたが、やがて意を決して、一夜の手札から一枚引き抜く。

そして裏返し、自分が引き抜いたトランプの模様を確認すれば


「あああああ!!やられたああああ!!」


がっくりと項垂れる飛翔に対し、一夜はくすくすと笑いつつ、藤丸に向き直ると、彼の持っている手札から一枚引き抜く。

何を引き当てたのか、確認し終えると、飛翔の方に向き直り

「悪い、ザキ……俺上がりね?」

一夜が終了したことを伝えると、飛翔は悔しそうな顔をし「絶対、次は抜けてやる!!」と叫んで、自分の手札を睨み付けた。

自分の手持ちが無くなり、一夜はさり気無く飛翔の傍へと移動し、彼の手持ちの札を見ていた。

藤丸は疾風から手札を抜きながら、「そういえば」と言って前置きし、あることを口にした。

「……如何して、二人は(名前)で呼び合わないんですか?」

「あ、其れ、僕も思った。如何してなの?」

疾風と藤丸に問われ、飛翔は隣にいる一夜を一度見て、それから疾風の方に手札を差し出し


「理由は簡単だよ。ミナミのいるサッカー部に、同じ名前の奴がいて、其れで呼んじゃうと判んなくなるから!」

俺、間違って云ってないよね?と言いたげに視線を向けられ、一夜は頷き

「もう一つ付け加えると、俺が学年が下で相手が上で、だから俺は苗字の一文字からって事で、落ち着いたんです。」

成程と、疾風も藤丸も納得をする。学年が上ならば、相手に譲らなければならないだろう。

体育会系は、縦関係が厳しいのだ……。

苗字から一文字をであれば……(ミナミ)という読み方なら、苗字でも、名前でも、確かに両方通じる。

一夜の呼び方に関しては解消されたが、では、何故飛翔は(ザキ)となったのか?

其の事を口出してしまえば、実にあっけらかんとした答えが返ってきた。

「だって、俺だけ名前呼びって、不公平でしょ?」


だから(ザキ)って呼んで貰う事にしたんだけど……それって、可笑しいの?


ちょっとだけ口を尖らせて言えば、一夜はぽんぽんと、飛翔の頭を叩き

「最初は(わっしー)って呼ぼうかと思ったけど、それって何処かの、ゆるキャラ思い出すし」

後は、同じ呼び名で、お笑い芸人がいたから、最終的に(ザキ)で落ち着いたんだよな…………?

一夜がくすくすと笑えば、飛翔は「うるせ!」といい、藤丸から手札を取った。

そうして同じものがあったのか、其れを外した。

どうやら、疾風も上がりだったらしく、ババ抜きの勝敗は、藤丸と飛翔の二人で決着をつける事になったようだ。

藤丸へと見せた手札……彼は、どちらを選ぼうか迷っている。

右か左か……真剣な瞳で見詰め、考えた結果

彼は左を選ぼうとしたが、飛翔の後ろにいた一夜の表情が、ほんの少しだけ変化を見せた。

だから選ぼうとした手札から、他の手札を選んだ。





…………が!!






其れは……………………………………………………………ババだった。






ショックを隠しながらも、自分の手札と混ぜ合わせ

何方にあるのか、判らなくする。

けれどこういう時、子どもの野生のカンは、侮れなくて………………………

飛翔が選んだ手札は、藤丸が引いて欲しい手札ではなかった。




藤丸の手元に残ったのは、ババだった。




ガックリと項垂れている、藤丸とは違い

飛翔は、ガッツポーズをし「よっしゃあああああ!!」と雄叫びを上げた。

その横で、一夜は御座なりに拍手をしてみせた。

藤丸は二人の様子を見ながら



「…………夏の夜、喜び見せる、子どもかな?」




ショックの大きさからか意味不明な言葉を呟き、其の場に突っ伏してしまうのだった。

そんな藤丸の様子に、疾風は乾いた笑いを見せる事しか出来なくて

如何慰めるべきか、思案していた。







長い一日が、漸く終わろうとしていた……………………………………………。





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