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鰤の話を更新です。



死神の話です。

捏造満載です。

山爺の口調が可笑しいけど、見逃して下さい。

未だ修兵出てません。

阿近さん、出張ってます。



『change/2』




阿近が一番隊を訪れた時、門番に伝えてあったのか

直ぐに隊舎内に入る事が出来ただけでなく、ご丁寧に、雀部の元に迄案内されてしまった。

彼は阿近の姿を認めると

「態々呼びたててしまって済まない………技術開発局が忙しいのは、重々承知なんだが」


何しろ…あのお方なのでな……。


「気にする事は無いですよ…あっちに詰めてたんで、気分転換にはなりますから。」

「そう云ってくれると、此方としても助かる。」

苦笑いを見せる雀部に、阿近も肩を竦めて見せるしかなかった。

雀部に伴われ、阿近が向かった先

其処は子どもの頃、何度となく訪れ、見慣れていた建物

部屋の中に入ると

其処には既に彼を呼びだした張本人の姿………山本元柳齋重國がいた。

阿近は此処を訪れた時、何時も座っていた場所に

どっかりと座り込んだ。彼が来る事等、判り切っていたのだから

当然の如く、直ぐ様間を置かずに

彼の前には、山本が点てた御茶が出された。



「………総隊長、一局員に過ぎない俺を呼んだ理由はなんですか?」


差し出された茶を手に取ると

幼いころ、此処で幾度となく教えられた茶の作法を

忘れずに………其の流れる様な動作に、満足げに目を細めた元柳齋は


「大分此処に来ていなかったが…茶の心得は忘れておらんかった様じゃの。」


其の言葉に阿近は己のこめかみに幾つか青い筋を立てた。

「……茶の作法を確認だけするつもりで呼び付けたのなら、俺は帰りますよ。」


何しろ、うちの隊長…此処最近ずっと続いている騒動の御蔭で


神経一本ぶっ飛んで実験と研究に没頭してくれちゃってるんで、いろいろ手詰まりで忙しんですよ。


他の書類は滞っていても…九番隊の……檜佐木の定期検査報告なら


ちゃんと総隊長に、上がってる筈なんですけどね。



チラリと視線を向ければ

山本は軽く咳払いをし、自分用に点てていた御茶を手に取り

「……儂とて、茶の作法だけで、お前さんを呼んだ訳じゃないわい。」

「じゃあ、要件は、何ですか?」

「実はのう、最近思い返せばじゃ………旅禍騒動以来、何かと瀞霊廷は騒がしいと思わんか?」

「まあ…騒がしいと云えば、騒がしいでしょうけど…俺らは開発局ですから」


どっちかって云えば、他隊の方が忙しいと思いますけど?


「そうじゃ、此処暫く…騒動が頻繁に起き過ぎとは思わんか?」

「や、俺らは騒動在れば在るだけ被検体とサンプリングが入るんでうはうはしてんすけど?」

「瀞霊廷内の修繕、書類の整理も滞る事も屡じゃ………。流石に儂もちと疲れてのう。」


此の老体に鞭を打つのも辛くてのう…偶に全部投げ出してしまいたい位じゃ


「じゃあ、湯治にでも行ってくりゃ良いだけの話ですよ。」


アンタが抜けて困る様な護廷じゃないでしょうに


「阿近、お前は儂の気持ちを判っとらん。」


何が悲しゅうて、此の爺一人で


「じゃあ浮竹隊長とか連れていけばいいでしょう。」


あの人も


「…で、爺さん。アンタは俺にどうしろって云うんです?」

噛み合わない会話等、するだけ無駄と悟ったのか

阿近は己を呼びだした元柳齋の目的を聴きだし、さっさと其の用事を済ませてしまおう。

そうでもしないと此の狸爺は延々と愚痴を,阿近に吐き出し続けているだろう。

阿近がやっと自分の話を聞く気になった事に満足をしたのか

「実はな………儂は、癒されたいんじゃ。」

「癒されたいって…………何にです?(つうか癒されたいって云う程の歳は過ぎてるだろうが。)」

「阿近…お主も判っておるとおもうが…儂が癒されたいと思うのは、決まり切っておる。」















元柳齋の要件は

確かに研究者としては,好奇心を持たずには居られない

擽られる噺だとは思う。

だが…其の被検体が、彼だと思うと気の毒で仕方がない気持ち半分と

此処暫く非常事態が続いていた日常に、決別し

其れとは違う非日常が此れから始まり、そして何かを期待してしまっている

己の存在が其処にいる。




「わりいな、修兵………幼馴染である前に、やっぱり、俺は………」




開発局員根性が染みついちまってるんだよな。




阿近は、一番隊舎から十二番隊へと続く回廊へと

歩を進めながら、これから己が行う実験材料を揃えてもらうべく

白衣のポケットから、伝令神機を取り出し

手慣れた手つきで番号を押した。コールは5回目で途切れた。



「俺だ、悪いが…………」


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テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

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