ゆえの日常生活と創作小話。
引っ張り第二弾
2010年04月17日 (土) | 編集 |


拳仔修、偽親子が嫌な人は避けて下さいね。





「桜、風に囚われる」第二話目



隊舎の離れには、幾つかの修錬場があり、その中の一つから大きな声が響き渡っていた。


「おら、どうした!修兵!!」


力自慢の笠城は腕を組んだ侭、己の体躯を倒そうとしている

必死の子どもの様子に、笑みを浮かべ

「そんな軟弱な力じゃ…俺は倒れんし、何時まで経っても、強い男にはなれねえぞ!!」

「んー…!!」

先程まで、笠城達に稽古を付けて貰っていた隊員達、衛島、藤堂、東仙

…そして、副隊長の久南白が大人しく見守る中で

修兵は一生懸命、腕自慢の笠城を倒そうとしていた。

だがしかし、大人の体躯を持つ笠城にとって、修兵の押し出す力など痛くもなければ痒くもない。

豪快に笑い飛ばし、余裕に構えている、其の態度が気に入らなかったのか

「んもー!!修ちゃん、白も加勢して上げる!!」

副隊長の発言に、ぎょっとした

衛島達が慌てて、彼女の行動を抑えようと口々に叫び、止めに入った。

「お、落ち着いて下さい、副隊長!!」

「そうです、此れは修兵の鍛錬ですから!!」

「ずるっこはいけません!!」

彼らの言動にピタッと彼女の足が止まった為、安堵の表情を浮かべた途端

彼女はくるりと振り向き、衛島達を睨むと

「いいの、修ちゃんだから!!」


白が加勢してあげるの!ちっちゃい子に、手を貸して何が悪いのよ!!


つるぴか、禿げちょびん!覚悟しなさいよ!!


普段の白らしからぬ行動に、皆呆気にとられ…当然だが、笠城もだ。

しかし彼は気に止めてないのか、寧ろ何かのスイッチが入ってしまったらしく

「何人来ようとも、此の俺はビクともせん!!副隊長といえど、手加減しませんぞ!!」


覚悟なされよ?


笑い飛ばす笠城に、カチンと来た、白は

指をビシッと、彼に突き付け「負けないんだからね!!」等と叫び

隣で、一体何が起こったのか判っていない修兵と、視線が勝ち逢うと

「修ちゃん、絶対!海坊主…倒そうね!!」

「あい!!」

結束力を固めた二人が、再び、笠城の身体を必死に押し始める。

2対1ならば…若しやとも思えるが、其処は、やはり六車九番隊特攻隊とも云えるのか

笠城の体は、ビクともしない………一向に倒れない、笠城に業を煮やしたのか

はたまた、九番隊の可愛い養い子の、健気な姿に心打たれたのか

「お、俺も加勢します!!」

「「俺らも!!」」

「待ってて下さい、副隊長!!」

事の成り行きを見守っていた隊員達までもが、二人に助力を申し出始めたのだ。

次々に、二人の元に行こうとする隊員達を止めるべく

衛島が珍しく声を荒げた。

「お前達、勝手な事をするんじゃない!!大人しく座ってるんだ!!」

「……があああああ~!見ておられん!!衛島、俺も加勢するぞ!!」

「藤堂、お前まで煽るな!!」

藤堂までもが加勢に行った事が、拍車をかけてしまったのか、隊員達の士気が一気に高まりを見せつつあった。

「…こうなると、私も加勢しに行った方が良いのだろうか?」

「頼む、東仙…お前も……此れ以上、皆を煽らないでくれ。」

「……楽しそうだ。」

「………。」


彼らの行動など、一体誰が止められると云うのか……もしいるとするならば、誰なのか教えて欲しい…


目の前の光景は、異様としか云えなかった。

複数対一人……一人、一人の力が非力でも、束になって

全員で掛かってしまえば

流石の九番隊一の、力自慢の笠城も、如何する事も出来ず

ぐいぐいと身体が傾き始め


「だあああ、お、お前らあああ!!数にモノ言わせてりゃ勝てる訳ねえだろうがー!!」


どったーん、どしーんっ!!ずしゃしゃしゃあ~!!


笠城の叫び声と共に、その場にいた全員の悲鳴が

派手な音が修錬場に響き渡り

それらは庭先で話をしていた、拳西達の元にも届いていた………。
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